リバレンス代表の上野です。

お客様との会話で、よく受ける質問があります。「派遣さんとの違いは何ですか?」

自然な質問だと思います。「毎月定額で業務を任せる」と聞けば、まず頭に浮かぶ比較相手は派遣です。そして多くの場合、この質問の裏には「どちらが安いのか」という関心があります。ただ、私の答えはいつも同じです。値段の前に、買っているものが違います。

今回は、外注・派遣・採用・BPOという4つの選択肢の「本当の比較軸」について書きます。どれが偉いという話ではありません。それぞれ買っているものが違う、という話です。

4つの選択肢は、買っているものが違う

同じ「仕事を任せる」でも、お金と引き換えに手に入るものは選択肢ごとに別物です。

  • 採用——買っているのは「人と、その人の時間まるごと」。一番自由が利く代わりに、教育・マネジメント・社会保険・退職のリスクまで全部セットです
  • 派遣——買っているのは「労働時間」。決まった時間、手を動かしてもらえます。ただし何をどうやるかの指示と管理は、自社の仕事のままです
  • 外注(単発)——買っているのは「成果物」。頼んだものは納品されます。ただしその一回きりで、やり方は社内に残りません
  • BPO(業務の継続委託)——買っているのは「業務が回り続ける状態」。作業だけでなく、手順・改善・引き継がれる仕組みごと外に持ちます

この4つを時給に換算して並べるのは、家賃と食費と保険料を「1時間あたりいくらか」で比べるようなものです。数字は出せますが、意味のある比較にはなりません。

「時給が高い」のからくり

では、なぜBPOは時給換算で高く見えるのか。含まれているものが違うからです。

BPOの料金には、「指示しなくても回る」「担当者が変わっても止まらない」「手順が記録として残っていく」が含まれています。逆に派遣の時給には、これらが含まれていません。誰が何をどうやるかを設計する時間、日々の指示と確認、教えたことが退職で消えるリスク——これらは時給の外側で、自社の誰か(多くは経営者や管理職)が払い続けています

見積書に載らないコストは、払っていないように見えます。でも実際には、社内で一番高い人の時間で払っている。時給の比較が崩れるのは、この「見えない側」を数えていないからです。

どれが正解かは、状況で決まる

念のため書いておくと、これは「BPOが一番いい」という話ではありません。買いたいものから逆算すれば、正解は状況ごとに違います。

  • 繁忙期の物量を短期でさばきたい——派遣が正しい。管理は自社に残りますが、量に強い
  • 一回きりの制作物が欲しい——外注が正しい。仕組みを残す必要がないなら、成果物だけ買うのが安い
  • 事業の中核を担う人が欲しい——採用が正しい。時間もリスクも引き受ける価値がある
  • 毎月発生する定型業務を、誰にも属人化させずに回し続けたい——ここで初めてBPOが正しい選択肢になります

つまり順番は、値段の比較ではなく「うちは何を買いたいのか」を先に決めることです。ここが決まれば、比べる相手は自然と絞られて、値段の比較は最後の確認作業になります。逆にここを飛ばすと、「一番時給が安い選択肢」を選んで、見えないコストを社内で払い続けることになります。

当社の場合——「回り続ける状態」には、ツール開発まで含めています

最後に、当社のBPOの話を少しだけ。

当社では、お任せいただいた業務の中で必要になれば、簡単な業務効率化ツールの開発まで月額の中で行います。追加費用はいただいていません。 転記を自動にする仕組み、チェックを機械に任せる仕組み、集計が勝手に上がってくる仕組み——そうしたものを、業務を回しながら必要に応じて作っていきます。

「開発までやって追加費用なしは、損では?」と聞かれることもありますが、これは先ほどの「何を売っているか」の話そのものです。当社が売っているのは作業時間ではなく「業務が回り続ける状態」なので、手作業をツールに置き換えて業務が安定するなら、それはサービスの品質が上がっただけなんです。作業時間を売る契約なら、作業が減ると売上が減る。状態を売る契約だから、減らす工夫に追加料金を取る理由がない——この違いは、時給では見えない部分だと思っています。

まとめ

  • 採用・派遣・外注・BPOは、買っているものが違う(人まるごと/労働時間/成果物/回り続ける状態)
  • 時給換算の比較は、含まれているものが違う以上、最初から成立しない。見えないコストは自社の一番高い時間で払われている
  • 順番は「何を買いたいか」が先、値段は最後の確認。目的より先に値段を見ると、選択を間違える

当社は「自由を創る・余白を創る」を掲げていますが、任せ方の選択も同じだと思っています。正しく任せた業務の分だけ、経営者の頭に余白が戻る。 何を買うかを決めるのは、その余白への最初の一歩です。

「うちの場合はどれが正解か」という段階のご相談も歓迎です。毎月の業務を任せたい、ついでに手作業そのものも減らしたい——そんなご要望なら、当社のBPOが力になれるはずです(サービスの詳細・お問い合わせはこちら)。


このコラムでは、経営と業務について考えていることをそのまま書いています。